行政書士を知っていますか?

 

行政書士とは何者でしょう?(少なくとも私の場合)


法務担当のパートタイマー?

みなさんはどういったイメージをお持ちですか?私も行政書士になって行政書士の方々に実際に会うまで見た事もありませんでした。その当時良く言われたのが書類作成のプロである、というものです。多分一般の方の理解もそれ以上ではないと思います。一方、最近では「カバチタレ!」なる漫画もあり、テレビドラマになったりもして、そうでない一面もみなさんに知っていただく機会が増えました。実際自分で始めてみますと、他の法律で規制されている事以外はほとんど「何をやっても良い」状態なので、あらゆる方面の法律書の研究に余念がありません。はっきり言ってきついですね。各々業種の違う事業者のみなさんの様々なニーズに応じてあれこれ法律書を研究している、「法務担当のパートタイマー」と言うのが一番近い感じがします。


許認可申請

行政書士には、許認可申請のプロ、と言う顔があります。許認可とは、それを野放しで、勝手に行わせていたのでは一般市民の社会生活に悪い影響を与えるかも知れない様々な行為に、市民の要請に従って行政が一定の制限を設けるものです。行政庁の実務に直結している以上、その内容はかなり細かく規定されています。また、それを悪用するケースが発生すれば、その穴を塞ぐ為に改正が行われ、ますます複雑に、更に厳しくなります。しかし一方においては、許認可で活動を制限される事業者も同じ一般市民です。厳格な規定が法文の主旨をこえて一般市民である事業者を過度に規制するならば、それは大問題です。そして各々の法律について関係ある事業者が全て熟知しているのか、と言えば必ずしもそうではない場合があります。この場合、事業の実体は許可が下りるケースでもそれを正しく疎明できない限り、行政側の判断に従うしかありません。

また、法律上の解釈ですから一般の日本語の理屈で考えると理解できない事もあり、見当違いの申請書を提出し、いたずらに苦労をする事もあるでしょう。もちろん、良く理解されている事業者の方はご自分で書類を記入し、申請なさるのが一番です。その業界に属している以上、自分を規制する法律を熟知し、その社会的要請を完全に理解して日々の業務を行っていただきたい。しかし、もしそうでない場合、行政書士をご利用になる事を検討してみてはいかがでしょう。世の中のもめ事もそうですよね。まずご自身で勉強して解決を試みるはずです。それでは駄目な場合、多分弁護士の利用を考えるはずです。もちろん、無理な書類も私なら通せる、と言っているのではありません。そういう事業者の方はその業界に参加するために更なる努力が必要でしょう。そのための法律理解の手助け(法務顧問)、書類作成、行政庁とのやりとり、を私は生業としております。行政書士が「行政権における弁護士」と言われるのがおわかり頂けると思います。


プロ?

昨今、あらゆる分野にプロと言われる人たちが存在します。もちろん自社に必要な人材を全て自社内でまかなえればそれが一番ですが、不幸にしてそうではない場合、私ども、いわば「法務担当のパートタイマー」にお任せ下さい。「お金がかかるでしょ?」ごもっとも。確かに安価ではないかもしれません。が、同じ金額を社員または社長ご自身に投資して同様の結果を得られるでしょうか?いつまで時間がかかるか見当がつくでしょうか?社会保険料や通勤手当ても必要ないはずですよ。法務専門職を雇うより、原価を計算すれば決して高い買い物ではないと思います。


守秘義務?

もう一つ行政書士の特徴として強調したい事は、私ども行政書士には法律に規定された守秘義務がある、ということです。たまに無資格で安く請け負っている方がいるという事を耳にする事がありますが、彼等には法に規定された守秘義務はありません。

これはどういう事かというと、行政書士の場合はもし守秘義務に反した場合は、そのまま法律違反となり罰則を課されるという法的圧力の下に仕事をしていますが、そうでない者が秘密を漏えいした場合、お客さまがその事実を立証し、その損害額を算定し、民事裁判に訴えて判決を勝ち取らなければ罰する事ができないという事です。自由化の時代ですから「リスクを負っても安い方が良い。」とお考えのお客さまがいらしてもそれはもっともなことです。

しかし、そうでないお客様はぜひ行政書士のご利用をご検討下さい。無資格業者やちょっと詳しい素人さんより権利を制限されている行政書士、つまりその分お客さまに法律による保護というメリットがあるのですから、その分についてお金を申し受ける事、ご理解頂けませんでしょうか?コストが高めなのはそれなりの理由があるという事です。業務のあらゆる段階で善良なる管理者として最大限の秘密保持を心掛けています。それはお客さまのためでもあり、私自身が営業停止にならないためでもあります。いざとなれば居直ってしまえる人たちと違い生活がかかってますからね。ご安心下さい。


結論

以上長くなってしまいましたが、最後に結論です。「行政書士は、法に規定された守秘義務を課された法務担当パートタイマーであり、行政権に対する(いわば)弁護士である」これだけは覚えておいて下さい。いつかお役に立つ事があるでしょう。